宵山万華鏡(よいやままんげきょう)

★5つ。

少々遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
2010年最初の本の感想は、森見登美彦さんの
『宵山万華鏡(よいやままんげきょう)』。
思いっきり季節外れですが、
華やかさがどこか新年っぽいかな、とこじつけです。

日本三大祭りの1つ、京都の八坂神社の祇園祭。
7月を通じて行われる長いお祭りのうち、出店が立ち並び、
毎年40万人もの人々が集まる最も華やかな日が7/16の宵山。

『宵山万華鏡』はその夜、現実と不思議の挟間を歩く人々を描いた
連作中篇集です。

宵山の華やかさは
人が本来踏み込んではいけない世界と隣り合わせで、
だからこそ奇妙で美しく、少し淋しくて少し怖い。
話ごとにコミカルだったり怖かったりと趣がちがうけれど、
すべては同じ“宵山”という夜の中で起こるできごと。

前の話の主役が次では通行人として登場したり、
最初の話と最後の話が
おなじできごとをちがう角度から見たものだったり、と
『宵山万華鏡』全体で
“宵山”という1つの万華鏡の世界が紡ぎだされています。

奇妙な世界にするっと入っていってしまう登場人物たち。
そこの角を曲がれば、
扉を開ければ、
妖しの世界にスッと行ってしまって帰って来られないような、
それでもちょっとその世界をのぞいてみたいような気分に。

祭りのキラキラした華やかさ、
馬鹿馬鹿しいことに怖ろしく真面目に取り組む
情けなくも愛おしい学生たち、
日常のすぐそばに奇妙な世界への入り口が
ぽっかりと開いているような緩やかな恐怖…
森見登美彦さんが描くエッセンス、
すべてがぎゅっと凝縮されているかのよう。

中篇どうしのつながりはもちろん
いつものように別の小説ともリンクしているのも楽しい。
現実と不思議の挟間を思う存分楽しめて、
今まで読んだ森見登美彦さんの本の中でも相当お気に入りになりました。
 
“祇園祭宵山”がどういったものかよく知らずに読みましたが、
華やかな夏祭りの雰囲気をたっぷりと楽しみました。

真冬に読んじゃったけど、宵山の季節にもう1度読みたい。
そして宵山、ぜひ行ってみたくなりました。
奇妙なものと出逢ってしまいそうで、かなりドキドキしそうだけど。



『宵山万華鏡(よいやままんげきょう)』
祇園祭宵山の京都。
熱気あふれる祭りの夜には、
現実と妖しの世界が入り乱れ、
気をつけないと「大切な人」を失ってしまう―。
幼い姉妹、ヘタレ大学生達、怪しげな骨董屋、
失踪事件に巻き込まれた過去をもつ叔父と姪。
くるくるとまわり続けるこの夜を
抜け出すことは、できるのか。

参考:「BOOK」データベース



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のうだま―やる気の秘密

★5つ。

イラストレーター・上大岡(かみおおおか)トメさんの
「飽きっぽい」という悩みに、
脳研究者・池谷祐二(いけがやゆうじ)さんが
科学的に、でもとっても分かりやすく答えてくれています。

とにかく簡単、シンプルで1-2時間くらいでサラッと読めます。
物足りなく感じる人もいるかもしれないけれど
この手の本をあまり読んだことがない、
私のような人にはうってつけ。

脳の中にある淡蒼球(たんそうきゅう)
=「やる気」を生む蒼い玉を
どうコントロールして「やる気」を出し持続していくか、
今すぐ実践できる方法が書かれています。
すぐ飽きてしまうのは自分がダメだからじゃなく、
脳の仕組みがそうなっている、
っていうのが1番うれしいポイント。

そーか、運動や勉強などなど
続かないのは自分だけじゃないし
決して自分が悪いんじゃないんだ!と
ちょっとホッとしました。

上大岡トメさんの絵がかわいくって楽しめる。
もっと詳しく脳について解説している本も
ためになって面白いけど、
『のうだま―やる気の秘密』は
ど素人が実践していくにはとびっきり分かりやすくていい!
という感想です。

実際、この本を思い出して
やる気が出なくてもムリヤリ動き出してみたら、
思った以上にがんばれました!

要点をメモ書きしておいて
いつでも見られるようにしておこうかな。
何度も読み返して指南書とすれば
とっても役立つと思います。

コツを覚えて、目指せあおだまつかい!



『のうだま―やる気の秘密』
三日坊主になってしまうのは、
脳が飽きっぽくできているから。
「やる気」を引き出すためには、脳をだまして
脳の中の淡蒼球(たんそうきゅう)を
動かさなければなりません。
続ける技術とやる気の秘密を解いた本。

参考:「BOOK」データベース

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後巷説百物語(のちのこうせつひゃくものがたり)

★5つ。

『巷説百物語』シリーズ3作目。
時は江戸から明治へと移る。
新時代の若者たちに不思議な話を語るのは、
一白翁(いっぱくおう)と名乗る老人-
若かりし頃、御行(おんぎょう)又市一味と
行動をともにした山岡百介。

年老いた百介、百介の話の中にだけ現われる又市たち。
「妖怪」が消えていく世の中、それを静かに受け入れる百介。
読んでいるほうも、時代が流れる寂寥感を
受け入れなければなりません。
文明開化の騒ぎの中、日本人は大切なものを
置き忘れて進んでしまったのではないか…
という思いが湧いてきます。

百介は又市たちと離れた後、
あまり幸せではなかったように見えてしまいます。
夢を無くし、ただ生きて…。
だから、ラストは百介にとってきっと良かったのだ、と思えて
切ないけれど温かい。
登場しない又市が
どこかでずっと百介を見守っていてくれたように思えるし、
百介もきっとそう思ったのだろう、と。
前作『続巷説百物語』の
身を切られるような悲しいラストとはちがい、
古きよき時代が行ってしまった寂しさを感じる、
味わい深いラストでした。

6つある短編のうち、最後の2作「五位の光」「風の神」は
京極堂シリーズとの関わりが。
京極夏彦さんの小説はいつも凝っているなあ、という感想。
又市の仕掛けによって人に憑いた「妖怪」を
後の時代に京極堂が落とす…
巷説百物語シリーズと京極堂シリーズ、
両方読んでいるとそのつながりが不思議で、面白い。

巷説百物語シリーズ、残るは1作。
今のところ、この『後巷説百物語』が1番好きですが
又市の過去を描いた『前巷説百物語』も楽しみです。



『後巷説百物語(のちのこうせつひゃくものがたり)』
文明開化の音がする明治10年。
古き世に惹かれる笹村与次郎らは
一白翁と名乗る老爺を訪ねる。
若かりし頃、怪異譚を求め諸国を巡った
老人が語る、怪しく、悲しい昔話。
胸によみがえるは、鈴の音と、
忘れえぬあの声…御行奉為―
第130回直木賞受賞作品。

参考:「BOOK」データベース

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螢・納屋を焼く・その他の短編

★5つ。

大評判の『1Q84』をまだ買ってすらいないのは、
買ってもどうせもったいなくってなかなか読めないからです。
その代わりと言ってはなんですが
久しぶりに読み返してみた『螢・納屋を焼く・その他の短編』。

どの短編も結末らしい結末はなく、
ある時間からある時間までに
起こったできごとや情景を
すとん、と切り抜いてそのまま書いている、という感じ。

結末のない不思議な短編を読むと
「この後はどうなったんだろう」
「この意味はなんだろう」
と気になることが多いのですが、
『螢・納屋を焼く・その他の短編』は
なぜかそれが無く、ただ余韻に浸るだけ。
この世界はこれで完結なのだ、という印象を受けるのです。
とは言っても『螢』は長編『ノルウェイの森』になるのだけれど、
淡い闇の中を螢がとびたつ、
そのシーンでこの『螢』という物語は完璧に完結している。
村上春樹さんの短編はいつもそんな印象で、
その分よけいに、
その世界から戻ってくることがなかなかできない。

「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。」
『螢』にあるその一節のように、
日常の中に不思議な世界が、
そっと存在しているような気がしてしまう。
部屋にかすかに漂う煙草の残り香のように。
間違いなく日常ではあるのだけれど
(その場所が奇妙な「象工場」であったとしても)
どこかがほんの少しずれている、
そんな空間に連れて行かれる感覚です。

村上春樹さんの小説はいつもそんな感覚で、
読み終わった後も何かと引きずってしまいます。
『1Q84』、楽しみだけどもったいない、
ハマってしまうのが分かっているから読むのが恐い…
いつ読むかまだ迷っています。



『螢・納屋を焼く・その他の短編』
彼女は時々僕の腕に体を寄せた。
でも、それだけだった。
彼女の求めているのは僕の腕ではなく、
誰かの腕だった。
僕の温もりではなく、誰かの温もりだった…。
もう戻っては来ないあの時の、
まなざし、語らい、想い、そして痛み。
リリックな7つの短編。

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暮らすように織りを楽しむ―手織りの技法と素材の本(創作のヒント! レッスン 3 手織り編)

★5つ。

卓上織り機で手織りをする人のための本。
縮絨の詳しい方法や、房を残さない時の端の処理、
本格的な手織り機を用いた本に説明は載っているけれど
卓上織り機ではどうなるの??
と思っていた組織図についてなど、
ここが知りたかった!ということが詳しく書かれていてうれしくなります。

卓上織り機でできる技法はすべて分かるのでは、
と思うほどたくさんの技法。
まだまだ卓上織り機でできることが
たっっくさんあるのが分かってワクワクします。

載っている手織り作品、さりげなくてとっても好み。
写真もきれいで、センスの良いインテリアか
雑貨の本のようで楽しい。
その分、最初のほうの写真以外は白黒だったのがちょっと残念。
スワッチ写真もカラーのほうが分かりやすかったと思うのですが。

作品数は多くは無く、
技法の数が多いためか説明も細かくはありません。
でも織り機の使い方はとっても詳しく載っているし、
手織り初心者から経験者まで
手元に置いて長~く参考にできる、という感想。

ちょっと手織りをやってみて、
オリジナルの作品を作りたい、
でもどの技法を使えばどんな布ができるのやら…
これ以上複雑な模様や作品は
本格的な手織り機でないとできないのかな…
と思っている人にピッタリの本。

著者の福井雅己さんは糸を販売する㈱アヴリルを設立した方。
使っている手織り機も糸もアヴリルのもの。
手織り機は私が使っている
「織美絵(オリヴィエ)」でも問題なく使えます。
アヴリルの糸はホント、素敵なものがいっぱい…。
取扱店に行くと目移りしていつも困るのです。

手織りに興味が無い方にはまったく関係ないけれど、
興味がある方には超がつくほどおすすめです。



『暮らすように織りを楽しむ
―手織りの技法と素材の本
(創作のヒント! レッスン 3 手織り編)』


小さな卓上織り機でもここまで織れる!
27の技法を創作のヒントになる
作品やスワッチで紹介し、
織り方から仕上げ方までぎっしり詰め込みました。
作品は全てアヴリルの糸を使って
暮らしに役立つ実用的な作品で紹介しています。

参考:AVRIL Web


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チョコレート工場の秘密

★5つ。

2005年に公開されたジョニー・デップ主演映画
『チャーリーとチョコレート工場』の原作。

『チョコレート工場の秘密』の最大の魅力はやっぱり、
“世界一おいしいチョコレート工場”!
夢に溢れたチョコレートの作り方、
そしてそこで働く“あるもの”たち、
チョコレート好きにはたまらんっす。

奇想天外なチョコレート工場の秘密と
ドタバタ感が強いストーリーが単純に楽しめます。
ちょっとブラックな展開もあって
“子ども向き”と油断はしてられません。

そして人間描写が実は鋭い!
チョコレート工場のオーナー・ワンカ氏をはじめとした
強烈に個性的な人々。
大人も子供も、どこかにいそうな人の特徴を
思いきり強調して描かれているような感想。
いくらなんでもこんな人はいないだろー、と思いつつも
なんだかどこかで会った気がする…
もしかして自分にも似た部分があるかも?
と思ってしまう。
貧しくても素直で家族思いな少年、
チャーリーの健気さにはホロっときます。
周りの大人たちのチャーリーを思う暖かな気持ちにも。

やさしい英語なので、原作でもわりとスイっと読めます。
講談社英語文庫には巻末に注釈がついているから助かるし。

映画『チャーリーとチョコレート工場』とはラストがちがっています。
ほんわりする映画のラストもいいけれど、
続きを匂わす原作のラストも楽しくって好きです。

※以前に書いた『チョコレート工場の秘密』の感想を書き直しました。



『チョコレート工場の秘密』
チャーリーの家のすぐそばに、
世界一おいしいチョコレートの工場がある。
そのオーナーのワンカ氏が、
5人の子どもを招待することにした!
招待状が入ったチョコレートは
世界中にたったの5枚。
でも、貧しいチャーリーが
チョコレートを口にできるのは1年に1度、
誕生日に1枚だけ…。

参考:「BOOK」データベース

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ベーグル焼いたり、本読んだり。

備忘録といいますか、
読後に自分の中に湧く気持ちを言葉にして、
ついでにブログにしてみました。

ベーグル焼いて売るのがお仕事。

るん

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