★4つ。

子供のころ読んだ「モモちゃんとアカネちゃん」シリーズ。
最初の「小さいモモちゃん」はほのぼのとかわいかったけど、
巻が進むに連れ、重くて暗いできごとが描かれるようになっていって。
でもそんなできごとも、悲しいだけではなく希望があるものとして、
静かに優しく語られている。
だからこそその重みがじんわりと心に沁みていく、
そんな感想をずっと持っていました。

モモちゃんシリーズ、
最終巻が20年も!前に出ていたのを知って読みました。
そして初めて知った事実、
実際に松谷みよ子さんの家族を描いたお話だったのね…。
悲しい事実が優しさに包まれて描かれているような印象は、
真実を、まだ幼かった娘さんに伝えようと描いていたからだったのか、
とストンと納得できました。

『アカネちゃんのなみだの海』
短いお話が積み重なって家庭の姿が描かれています。
どこか寂しく、時に身を切るほど辛く、
それでも優しく、静かに、力強く。
1番印象的だった話は「モモちゃんのなみだの海」。
小さかったモモちゃん、すっかりお姉ちゃんになっていたけど、
ずいぶん無理をしていたことが分かって切なくなってしまう。

そんなモモちゃんたちの姿を
優しくずっと見守ってきた存在は、
まるで「時」そのもののように優しい。
悲しいできごとを受け入れる力、1歩先に踏み出す力を与えてくれる
何よりも強く、優しい「時」という存在。
自分も、「時」とともにモモちゃんたちを見守ってきたような気持ちと、
自分自身もこんなふうに「時」に守られているのかな…と、
優しい、温かい気持ちになれる。

様々な優しさに包まれたモモちゃん家族。
「終わり」と思うとちょっと寂しいけれど、
モモちゃんもアカネちゃんもずっとずっと誰かに、何かに見守られながら
優しく、強く、成長していったのだろうな、
と心温まる気持ちで読み終わることができました。




『アカネちゃんのなみだの海』
もうすぐ1年生になるアカネちゃんに、
とてもうれしいことがありました。
なかよしのくつしたの、
タッタちゃんとタアタちゃんが、かえってきたのです。
かなしいのは、おわかれです。
モモちゃんとアカネちゃんは、
パパといちばんかなしいおわかれをします。
シリーズ「モモちゃんとアカネちゃん」最終巻。

参考:「BOOK」データベース


★4つ。

森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』で、
黒髪の乙女と先輩が古本市で探していた絵本が
ペーター・ニクルさんの
『ラ・タ・タ・タム―ちいさな機関車のふしぎな物語』
マチアスという男が造った真っ白い小さな機関車が、
旅に出た彼の後を追って冒険するお話です。
乙女が愛した絵本はこれか!と嬉しい気分で読みました。

商品情報で絵が出てこないのが残念無念。
(Amazonに行けば表紙は見られます!)
絵はビネッテ・シュレーダーさん、
細かいところまでしっかりと丁寧に描かれていて、
かつ画面いっぱいに景色が広がる大胆さもある絵。
冷たさと暖かさ、固さとやわらかさ、
両方を感じる独特な味わい。
眺めているだけで想像が膨らんでいきます。
真っ白な小さな機関車がぐんぐん走っていく絵は、
黒髪の乙女ならずともつい見入ってしまう美しさです。

そして、ストーリーも美しい。
主役は人間ではなく小さな機関車だけど、
これって実は“愛”のお話じゃないかなあ、という感想。
マチアスを追う機関車を心から応援したくなる。
その冒険にわくわくし、ピンチにはどきどきして、
子供の頃のように純粋に読むのが楽しかった。
心がほっかり暖まります。

ラ・タ・タ・タムって不思議なタイトルだと思っていたら
機関車が走る時の音だったのね。
黒い大きな機関車だと「ガタンゴトン」ってイメージだけど
「ラタタタム、ラタタタム」っていう音は軽やかで、
真っ白な小さい機関車によく似合う。
リズミカルに声に出してみると
楽しい気分になりますよ(実験済み)。




『ラ・タ・タ・タム―ちいさな機関車のふしぎな物語』
ちびの発明家・マチアスが造った
真っ白い小さなお嬢さん機関車。
旅に出たマチアスを追って、
機関車の冒険が始まります。


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★4つ。

たっっくさんあるクレヨン王国シリーズの第1作。

旅をしながら欠点(おねぼうとか、ちらかしぐせとか)
を直していく内容はちょっと道徳的だけど、
12の色がついた12の町は魅力的。
それぞれの色の動物や自然が次々に現われて、
目の前に鮮やかな色が広がります。

シリーズのほかの作品は
世界観に矛盾があることがあって、
だいたい全部読んだけど「十二か月」がやっぱり1番好き。

クレヨン王国の十二か月 (講談社青い鳥文庫 20-1)クレヨン王国の十二か月 (講談社青い鳥文庫 20-1)
三木 由記子

クレヨン王国 新十二か月の旅 (講談社青い鳥文庫) クレヨン王国の花ウサギ (講談社青い鳥文庫 (20‐2)) クレヨン王国月のたまご〈PART 2〉 (講談社 青い鳥文庫) クレヨン王国 月のたまご〈PART1〉 (講談社 青い鳥文庫) クレヨン王国 月のたまご〈PART3〉 (講談社 青い鳥文庫)

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