★5つ。

アニメにもなってる超有名シリーズの第一作。
戦いの描写は生々しいし、
上巻はとにかく、ひたすら、話が暗い。
人間の利己的な部分をこれでもか、と言うほど見せつけられる。
危うく挫折するところだったけど
“つまらない”とか“難しい”で挫折しかかったわけじゃなく
陽子の体験がまるで
我がことのように思えて本当に辛かったのです。

でも、その辛い描写があるがゆえに
陽子が自分の生き方を改めようとする箇所は
実に説得力があって感動もの。
人は自分次第で生き方を変えることもできるんだ、とつくづく感じました。
登場人物たちの言葉は
ヘタな啓発本より心に沁みる。
自分を真に悔い改めて生き方を変えるのは難しく、
それをしようとする陽子の強さは眩しい。

そして実に緻密な世界設定に参った。
小説は想像の世界だからこそ、齟齬があると
「あれ?」と思ってあっという間に現実世界に引き戻されてしまう。
十二国記シリーズは読んでいる間、現実に戻る暇が無い。
気付けば異界にどっぷりハマってしまってました。

けしてけして子供だましのファンタジーではありません。
壮大でありながら緻密、圧倒的です。

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「あなたは私の主、お迎えにまいりました」

ケイキと名のる男が突然現われて、
陽子を連れ去った。
海に映る月の光をくぐりぬけ、
辿りついた地図にない国で
陽子を待ちうけていたのは
異形の獣たちとの戦いだった。
「なぜ、あたしをここへ連れてきたの?」
陽子を異界へ喚んだのは誰なのか?
帰るあてもない陽子の孤独な旅が、いま始まる。

参考:「BOOK」データベース 『月の影 影の海』

★4つ。

ハマりまくって、でももったいなくって一気に読めなかった20世紀少年。
その完結編である21世紀少年まで、ようやくたどり着きました。
謎を含んだ終わり方は賛否両論のようです。
様々な謎を深く考察されている方もいて感心してしまう。

私はそれほど読み込んだわけじゃないけど、
作者浦沢さんの中で決着は着いていて
でもそれを読者には教えてくれてない、という印象です。
もうちょっとすっきりしたかった、という気持ちもありますが
最初から読み返したい、という気持ちもあり。
ラストを頭に入れて読めば、気付くことがあるかもしれないし。

もやもやは残っているけど途中は本気で夢中になったし
一言で言うとやっぱり「面白かった」という感想。
浦沢さんの術中にまんまとハマってしまった感がありますが
むしろ自らハマっていたい。
この物語世界の未来に希望を感じられるのも良かった。

夏には実写版映画が公開されます。 →映画「20世紀少年」公式HP。
キャスト、特にケンヂ・オッチョ・ユキジはかなり私のイメージ通り!
気になるところです。

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本格科学冒険漫画、最終章。

「ともだち」が仕掛けた最後の罠とは、
ヴァーチャルリアリティーの世界へ
旅立ったケンヂが見たものとは。

参考:小学館 『21世紀少年』

★4つ。

古風で妙に格調高い言い回しで語られる森本の独白。
行動はほとんどストーカーなのにあくまで「研究」と言い張り、
鴨川に並ぶカップルや世間の「クリスマスファシズム」を憎悪し、
自らを世間一般とは違う孤高の存在と考えながらも
ごく当たり前の幸せに憧れる自分にも本当は気付いている…

森見登美彦さんの『太陽の塔』
主人公の森本は傍から見てるととにかく変人、
大真面目ゆえに情けなくて滑稽。
初めは“なんか、ちょっとキモチワルイ人”と思っていたら
その常識とのズレっぷりがだんだん笑えてきて、
しまいにはかわいく見えてくる。
森本の友人たちも、
つきまとわれる女子大生すら強烈で個性的、
「普通の人」は1人もいないってくらい変人だらけ。

全体的には笑えるんだけど、唐突にしんとした描写が現われる。
日常から非日常の世界に足を踏み入れたかのような奇妙な感覚。
読了後にはほんのりとした暖かみ、
作者の登場人物への愛情が感じられました。
“ゴ**リキューブの描写だけは読むのが辛かったけども!
実在しないことをただ祈ります。

読書中も読了後も、
こんな小説は読んだことがない、という印象。
主人公が見ている世界は少し歪んでいて、
自分もその歪んだ世界に連れて行かれたような。
古風だけど独特のテンポがある文体と
変だけど可愛げのある登場人物たち、
なんだか妙に癖になってしまいました。

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『太陽の塔』
何かしらの点で彼らは根本的に間違っている。
なぜなら私が間違っているはずがないからだ-。
京大5回生の森本は「研究」と称して
自分を振った女の子の後を日々つけ回していた。
男臭い妄想の世界に
どっぷりとつかった学生の夢想。
第15回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。

参考:「BOOK」データベース / Amazon

★4つ。

小説誌はあまり買ったことがないのですが
小野不由美さんの十二国記シリーズ目当てで買ってみました。
特集は「ファンタジー小説の愉しみ」、
畠中恵さんの「しゃばけ」シリーズも。

色んな作家さんの小説をいっぱい読めるって単純に楽しい。
漫画アシスタントさんへのインタビューなども面白かった。

なかでも気になったのは森見登美彦さん「或る失恋の記憶」。
独特なテンポがある文体。
大真面目だからこそなんだか滑稽な大学生活、
印象が強くて妙に癖になる。

目当ての十二国記「丕緒(ひしょ)の鳥」は、
別の視点から見た慶国の話。
緻密な世界観と人々の細やかな心情はやっぱり十二国記!
久しぶりに読めてとっても嬉しい…
けど、やっぱり“別の視点”じゃなくて続きが読みたいなああ。
またyom yomに新作が載るのかも、と期待してしまいます。

不満は、ページにところどころ蛍光インクのような色が印刷されていて。
印刷ミスかと思ったけどデザインらしい、でもどーも読みづらい…。

中味については不満なし。読み応え十分だったし続きも気になる。
次回もつい買ってしまいそうです。
 
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本屋さんでよく見かける
Yonda?パンダが表紙の季刊誌。
「読む」ことの好きな人たちに向けた、
「読む」楽しみをもっと拡げるためのヨムヨム雑誌。

参考:新潮社公式HP『yom yom(ヨムヨム)』

★3つ。
 
京極堂シリーズの3作目。
いつもよりちょっと理屈っぽい印象を受けたのは
登場人物にあまり感情移入できなかったからだと思う。
前作での犯人は、
ちょっとしたきっかけであちら側に行ってしまった人、
読んでいる自分もあちら側に行ってしまわないとも限らない…
というあやうい恐怖感があったのだけど
「狂骨の夢(きょうこつのゆめ)」は動機がなんだか凄まじすぎて。
宗教学や心理学など様々な説明があってこそ分かる動機、
でも自分とはかけ離れすぎていていまいちピンと来なかった。

とは言っても、相変わらず京極堂の憑き物落としは見事。
憑かれてしまっていた人たちも人間の情が感じられ、
共感はあまりできなくても幸せになって欲しいなと思えた。
推理小説としてはやっぱりちょっと無理があるけど
これだけ絡み合った伏線をすべてすっきりと終結させる
京極夏彦さんに感服してしまう。

京極堂の語る薀蓄はやっぱりちょっと難しい、けど
シリーズ読み切るまで突き進んじゃうでしょう。

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妾(あたし)は人を殺したことが
あるんでございますよ-。

2人分の記憶に苦しむ女。
悪夢を見続ける元精神科医。
神を信じ得ぬ牧師。
そして続発する怪事件、
それらをつなぐものは「髑髏」。
狂骨は井中の白骨なり-。
髑髏のみせる幻、
骨の記憶を黒衣の男が解き明かす。

参考:「BOOK」データベース
『狂骨の夢(きょうこつのゆめ)』

★3つ。

図書館が舞台ってところに惹かれたら、
実はラブコメだと聞きまして。
恋愛小説はこそばゆくってちょっと苦手なので
若干の不安を抱きつつ読んだのですが、予想以上に面白かった。
勢いがあってコミカルなエンターテイメント。
次々起こる事件は勧善懲悪風で単純に楽しめる。

でも実はテーマはけっこう重い。
言論の自由が束縛されているパラレルワールドは
そんなムチャな… って思うところもあるけど
細かいところまでよく作られている。
“差別用語”には疑問を感じることがあるし
何たって本が好きなので
「本狩り」には思わず怒りを感じた。
私もこの世界にいたら本を守るぞっ、なんて考えたり。

「本を守る戦い」が軸にあるので
ラブコメな部分もむしろ微笑ましく読めました。
男勝りでばりばり体育会系、純情で恋愛に疎い郁、
厳しく当たりながら郁を心配し守ろうとする堂上、
まさしく王道でちょっとこそばゆいけど
何かにつけ必死な郁はかわいい。

続きも読もうと思ってます。
ただ、これ以上あま~くなると恥ずかしくって読めないかもしれませぬ。
 
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正義の味方、図書館を駆ける!

公序良俗を乱し人権を侵害する表現を
取り締まる法律として
『メディア良化法』が成立・施行された現代。
「問題のある」本を「狩る」メディア良化委員会に
対抗できるのは
「図書館の自由に関する宣言」を守る図書館だけ。
立てよ図書館!狩られる本を、明日を守れ。

参考:「BOOK」データベース 『図書館戦争』