★5つ。

小夜のもとに届いた手紙は本物のもみじ。
人形しばいうさぎ座は、本物のうさぎによる人形しばい…。

大好きな安房直子さんの童話に、
これまた大好きな味戸ケイコさんの絵による絵本。
透明感がある味戸ケイコさんの繊細な絵は
安房直子さんの世界観に似合いすぎ。

たとえ挿絵がなくても安房直子さんのお話を読むと
味戸ケイコさんの絵が浮かんでしまう私にとって
『うさぎ座の夜』はどちらも思いきり楽しめる素敵な絵本です。

うさぎからもみじの手紙が届いても
それを特別に不思議なこととは感じていない
小夜や、小夜のおばあちゃん。
強く触れると壊れそうに繊細で、
それでいてしっかりと地に足を付けて生活をしている人々や、うさぎ。

『うさぎ座の夜』のように、さりげなく異世界に行ってみたい。

安房直子さんのお話に時々見られる
独特の淋しさ、怖さは少し薄れていて子供向きかも。
でも、人間の行動を反省させるうさぎの言葉があったりして
子供だましではない、という感想。
大人にも子供にも読んでもらいたい絵本です。



『うさぎ座の夜』
小夜は山ふかい小さな温泉宿の一人娘です。
友だちは山の鬼の子やてんぐ、
風や木とも話ができます。
小夜はやまんばの子なのでしょうか。
そんな小夜のもとに
人形しばいうさぎ座から手紙がきました。
まっ赤なもみじの葉の手紙でした。

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★5つ。

お正月に実家に帰って、
本棚にあった『風の歌を聴け』を久しぶりに再読。
初めて読んだ高校生の時と同じく、
一見軽快であるけれど透き通った寂しさがあふれる情景に
今でもやっぱりハマってしまった。

私にとって、村上春樹さんは“基本”。
色々な小説を読んでも、
なぜか惹かれて戻ってきてしまうところ。
感情を言葉にすることがほとんどないけれど
温かいもの・熱いものを持った登場人物たちに
特別な愛着を感じ続けているのです。

デビュー作である『風の歌を聴け』、
やはり村上春樹さんの原典だと思います。
淡々とした語り口、特に事件が起きるわけでもない夏の情景。
それでもやっぱり、
奥底に静かだけど熱い何かが流れているような。

村上春樹さんがエッセイで
「『風の歌を聴け』は忙しい中、細切れの時間で少しずつ書いた。
だから情景がぶつぶつと切れてしまい、それがクールだと評された」
と(原典を忘れてしまったから正確な引用ではないけれど)
語っていましたが、「僕」も「鼠」も真底クールだとは思えない。
“何か”を秘めた静かな語り口に惹かれているのかもしれません。

そして文章に散りばめられている、心に残る言葉たち。
「完璧な文章などといったものは存在しない。
完璧な絶望が存在しないようにね。」
「かつて誰もがクールに生きたいと考える時代があった。
-僕は心に思うことの半分しか口に出すまいと決心した。
-そしてある日、僕は自分が思っていることの
半分しか語ることのできない人間になっていることを発見した。」
それから、犬の漫才師と呼ばれたDJの心の底からの一言。

その後の村上春樹さんの、物語性がある小説とはちょっと違う。
するすると読めるけど心の奥に沁みてくる、
何度も読み返してしまう本です。



『風の歌を聴け』
1970年の夏、海辺の街に帰省した「僕」は、
友人の「鼠」とビールを飲み、
介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。
2人それぞれの愛の屈託を
さりげなく受けとめてやるうちに、
「僕」の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。
青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた
出色のデビュー作。

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★4つ。

「何かしよう」としてきたわけじゃなく、
「したくないことはしない」というスタンスで生きてきたハナ。
自分はそれで充分なのに、周りはどんどん変わってしまって…。

最近ハマってる角田光代さんの小説、
この『薄闇シルエット』は今まで読んだ中でもとびっきりリアル。
友だちの結婚、肉親の死、
色々なことが起こって、自分が昔ほど若くはないという事を
嫌と言うほど思い知らされる。
周りはみんな「何か」を掴んでいるように見えて、
取り残された気分になって泣きたいくらい心細い。
自分も何かしよう、幸せを掴もう、
でも自分がしたいことって?自分にとっての幸せって?
どうしてこのままじゃいけないんだろう…
って惑うハナの姿は実に実に共感できてしまって心に痛い。

ハナは独身、仕事は頑張ってきたけど
今以上に儲けたり、ちがうことをしたいわけじゃない。
読む人の立場は色々だけど、
他人が自分よりちゃんとしているように見えたり
自分の幸せって何だろう、と迷ったりするのは
どんな立場でも感じる気持ちではないかな。

帯の言葉「惑いまくったって、いいじゃんか。」
ハナはこれからも惑いまくるとおもう。
だけど、「惑いまくったって、いいじゃんか。」
こういうふうにしか生きられないんだから仕方ないよねー、
ってハナやたくさんの「惑いまくっ」てる人たちと
顔を見合わせてうなずき合いたい気分。
お互いしんどいけど頑張ろうぜ、
っていう気持ちは「同病相哀れむ」的なものだったりします。



『薄闇シルエット』
ハナは下北沢で古着屋を経営している37歳。
ある日、恋人から「結婚してやる」と言われ、
小さな違和感を感じる。
「どうして、この人は『私が結婚を喜んでいる』と
思って疑わないんだろう…」
人生の勝ち負けなんて、
誰が分かるというのだろうか。
圧倒的リアルと共感が心にささる傑作長編。

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★4つ。

ずいぶん過ぎてしまいましたが、
明けましておめでとうございます。
今年も勝手な読書感想文を綴って参りますので
よろしくお願い申し上げます。

さて、今年最初の更新は小説ではなく
イラスト練習のための本です。
とは言っても完全にど素人向き。

私は絵心が皆無でして
人様にお見せしたら大爆笑必至の絵しか描けないのですが、
それゆえにお手紙などにイラストをささっと描くことに
強い強い憧れを持っております。

『気持ちを伝えるちょこっとイラスト』
「絵心がなくても、ヘタでも大丈夫」という頼もしいイラスト練習本。
人の顔で感情を表す方法、雑貨や草花など
ちょこっとしたイラストのコツがいっぱい。

Yuzukoさんのイラストはいい感じに力が抜けていて、
自分でも描いてみたくなります。
手づくりのカードにこんなイラストを、
プレゼントにイラスト入りのラベルを、なんて
アイデアも満載ですぐに真似したくなっちゃいます。

“絵を描く”ことにコンプレックスを持っている
私のような方におすすめ。
気楽にイラストを描いてみよう、と思えます。

これでちょこっと練習して、
今年の年賀状はちょこっとイラスト描いちゃったもんね♪

…受け取った友人の感想は、怖くて聞けません。



『気持ちを伝えるちょこっとイラスト』
言葉だけでは伝えきれない気持ちを表現する―
それが、ちょこっとイラストです。
毎日が楽しくなる!
えんぴつやペン1本で描くイラスト実例集&練習帳。

参考:「BOOK」データベース
 
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