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きみが見つける物語 十代のための新名作 休日編アンソロジー・小説誌

★3つ。

図々しくも読んでしまった「十代のための」物語。
『きみが見つける物語 十代のための新名作 休日編』
5つの短編が収録されたアンソロジー。
目当ての1つ、万城目学さんの話は
読了済みだったというまぬけっぷり…。
でも、アンソロジーって色々読めてやっぱり楽しい。 

「シャルロットだけはぼくのもの」/米澤穂信
  『夏季限定トロピカルパフェ事件』の中の1遍。
  夏の暑さが思い浮かぶ文章と、意外な“謎”。
  爽やかな印象で楽しめたけど、
  登場人物のキャラと関係性が分かっていないと
  面白さがうまく伝わってこない気が…。
  通して読んだほうが面白そう、という感想です。

「ローマ風の休日」/万城目学
  『鴨川ホルモー』の続編、『ホルモー六景』の1遍。
  主人公の“少年”のいかにも高校生らしい若さと
  ちょっと切ないラストシーンは、これだけでも十分楽しめる
  …と思うけど、贔屓目かもしれませぬ。

「秋の牢獄」/恒川光太郎
  女子大生の藍は、“11月7日”を何度も繰り返している…。
  『秋の牢獄』の表題作で、独立した短編。
  “タイムスリップ”という話自体はよくあるけれど、
  全体に漂う薄ら寒さ、結末が見えない怖ろしさ、
  奇妙な余韻がかなり好みです。
  恒川光太郎さんの他の作品、ぜひ読んでみよう。

「春のあなぽこ」/森 絵都
  『永遠の出口』の中の1篇、これも読了済みですが再読。
  ごく普通の少女・紀子の成長を描いた連作短編で、
  「春のあなぽこ」は中学生になる直前の春休みの話。
  子どもゆえのまっすぐな、身が切られるような感情。
  思春期へ向かう途中の胸苦しさを思い出させてくれる話。

「夏の出口」/角田光代
  『学校の青空』収録、独立した短編。
  学校に感じる違和感、息苦しさ。
  浮かれている周りになじめない“なお”も、
  わざとらしいほどに浮かれるなおの友人たちも、
  どちらにも昔の自分が感じられ、気恥ずかしくて、愛おしい。
  角田光代さん独特の痛々しいほどのリアルさが感じられました。

5つの個性が集まった中、どんなふうに光っているか。
読了済みのものもなんだか新鮮でした。
初めて読む作家さんに出会える良さもあるし、
これからも時々アンソロジーは読んでいきたいな。
「十代のための」シリーズは、やっぱり図々しい気がするけど。



『きみが見つける物語
十代のための新名作 休日編』

とびっきりの解放感で校門を飛び出す。
この瞬間だけは、学校のことも嫌な奴のことも、
宿題のことも忘れて…。旬の作家が集結、
それぞれが紡いだ休日の大冒険とは?

参考:「BOOK」データベース

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