★3つ。

いつかブラック・ジャックになれると信じていた少年が
楽しいこと、辛いことを経験しながら少しずつ“自分”を知っていく。
久保寺健彦さんの『ブラック・ジャック・キッド』は
大人になったかつての「ブラック・ジャック・キッド」が
自分の小学生時代を語る物語です。

ブラック・ジャック・キッドこと織田和也君、
小学生時代の体験はなかなか“濃い”感じ。
彼ほど濃い経験は無くても
異性を意識したり、上級生とモメたり、
ちょっと恥ずかしい思い出は誰しも持っているのでは。
そんな出来事に出会いながら成長していく和也君は
見ていて少し懐かしく、少し切なくなりました。
漫画の中のブラック・ジャックとしてではなく、
現実に生きる自分自身の強さを
身に付けて行く姿にホロッときます。

全体的には現実的な話なんだけど、
時々ぽんぽんっと不思議な出来事が起こります。
自分にもこんな奇妙な出来事があったかもしれない、
という気にさせられました。
でもそんな風に思ったのは、私が元々
不思議なことが起こる話が好きだからかも…。
現実と離れたエピソードが浮いてしまっている感じもあって、
和也君の成長物語としては、不思議エピソードは必要ないかも。

初めのうち、大人が子供時代を回想しているということは
あまり意識させられません。
だけど後半、この人は大人になって○○になった、
などと唐突に書かれていて驚かされます。
小学生からいきなり大人になってしまうラストも
これまたちょっと唐突で、
あれ、それで終わりにしちゃう?って印象。
登場人物の中には、何もそんな結末にしなくても…
と思う人もいて、ちょっと淋しいし。

大人が読むとちょっと切なくほろ苦く、
全体としては良い印象。
だけど少し引っかかる箇所もあって、
スキかキライか、自分でも微妙なところ…という感想。
久保寺健彦さんの他の本も読んでみようか、考え中です。



『ブラック・ジャック・キッド』
雪降る聖夜、奇蹟が起きる。
手塚治虫の名作『ブラック・ジャック』を
こよなく愛する小学生の和也。
「患者」を探して団地を駆け回る毎日にも、
否応なく現実ってやつが影を落とす。
第19回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

参考:「BOOK」データベース/
出版社・著者からの内容紹介

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