チーズと塩と豆とアンソロジー・小説誌

★3つ。

美味しいものがとっても好き、
美味しいものが描かれた本も大好き。
『チーズと塩と豆と』、題名に惹かれました。
シンプルでストレートで良いではないですか。

『チーズと塩と豆と』は昨年BSで放送された
「プレミアム8 愛と胃袋 直木賞作家が食べて書くヨーロッパの田舎」
から生まれたアンソロジー。
角田光代さん、井上荒野さん、森絵都さん、江國香織さんの4人が
ヨーロッパの各地を旅行し現地の食をテーマに短編を執筆、
それを原作としたドラマと、4人の旅を追った
紀行ドキュメンタリーを合わせた番組…だそう。

なじみの無い土地のなじみの無い料理ばかりなのがしっくり来ない、
なんて思っていたけれど
その番組があったからこそ書かれた小説だったのね。
4編とも土地の料理と人々とがしっかり描かれているから、
番組を見て読んだなら、またずしりと来るかもしれないな、
という感想を持ちました。
ただ見ていない分、先入観無しで読むことはできたかも。

角田光代さん「神さまの庭」と
森絵都さん「ブレノワール」が奇しくも、
生まれた地域の古い伝統とそれを守る人々に
反発を覚える主人公、という同じ構図を持つ話。
「神さまの庭」の女性は伝統を大切にしつつ
新しい生き方をしようとしていて、
「ブレノワール」の男性は新しい考えを取り入れつつも
生まれた土地に根付こうとしている。
好みなのは、より清々しさを感じた「神さまの庭」。
悲しみと背中合わせにある希望と、
“食べること”が持つ、人を幸せにする力が感じられる話でした。

井上荒野さん「理由」は救いが感じられなくて、
読んでてちょっとしんどかった。
江國香織さんの「アレンテージョ」は、
読んでいる間なぜか、江國香織さんの話だと忘れていました。
珍しく男性が主人公だからかな。
でも、哀しさを含んだ透明な明るさは江國香織さんらしくもある。

それぞれに味のある話だったけど、
「神さまの庭」に出てくる料理が1番美味しそうだったんだよね…
結局、食い意地が張ってるみたいです。



『チーズと塩と豆と』
頑な心と心が接触する、ヨーロッパの片隅。
角田光代-スペインのバスク地方、
井上荒野-イタリアのピエモンテ州、
森絵都-フランスのブルターニュ地方、
江國香織-ポルトガルのアレンテージョ地方。
4人の作家がそれぞれの土地を旅して描いた
「食と愛」の物語。

参考:「「BOOK」データベース


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頑な心と心が接触する土地。4人の直木賞作家の「食と愛」の物語。10月放送の、NHK・BSハイビジョン紀行番組「プレミアム8」に登場する4人の女性作家が、それぞれヨーロッパのスローフードやソウルフ...
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