★3つ。

小野不由美さんの短編は『十二国記』シリーズなど
短くても胸にずしんと残るものが多くて、そういう迫力を期待してしまう。
『営繕かるかや怪異譚』、その点で少し物足りなく感じてしまった。

面白くないわけでは全く無い。
家に起こる怪異が
それを理解し想像力を働かせることによってさらりと解決する…
という作りはなんとも奇妙で面白い。
今より少し前の時代には怪異が身近なものとして存在したのだ、
奇妙なことではあるけれどそれほど特別なことでは無いのだ、と感じる。
怪異が当たり前に存在する異世界に
するりと連れていってもらえるのだ。

ただ、怪異に出会った人々の生きざま、出会うまでの経緯が
緻密な描写で語られているから
怪異が治まって話もおしまい、となると
あれ、彼らはその後どうなったの?と気にかかってしまう。
入り込んだ気持ちがあっさりとかわされて
現実より少し歪んだ怪異の世界に
取り残されたような気分になってしまう、という感想。

緻密な描写ゆえにするっと物語の世界に入り込み、
そしてまた緻密な描写ゆえに取り残された気分になる。
さらりと解決する怪異話、面白いんだけど
もっと重い小野不由美を…!と思ってしまうのは、
小野不由美世界のかなりの中毒なのかもしれない。




『営繕かるかや怪異譚』

この家には障りがある―
住居にまつわる怪異を
営繕屋・尾端が鮮やかに修繕する。
怪談専門誌「幽」に連載の物語。

参考:「BOOK」データベース
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