きりこについて西加奈子

★5つ。

 きりこは、ぶすである。

なかなか衝撃的な一文で始まる物語。
読み進むにつれ、きりこが、周囲の人が、
きりこの愛猫ラムセス2世が、
たまらなく愛おしくなる。

自分で自分をぶすだと思っていなかった、きりこ。
きりこが自ら気づくことができた物の見方こそ、
物事の真実、本質、だと思う。

「うちは、容れ物も、中身も込みで、うち、なんやな。」

「今まで、うちが経験してきたうちの人生すべてで、うち、なんやな!」

言葉にすれば単純なこと。
そんなこと分かってる、と思うようなこと。
けれど、それを実感として、
重みのある真実として受け入れることはなかなか難しい。

それを知ったきりこと、
初めからそれを知っていた猫たち。
猫は真実を、人間が忘れがちな大切なことを、
当たり前のこととして理解している。

きりこや周囲の人々は、
中身も容れ物も合わせて、
それまでの経験すべて合わせて、
「自分」として2本の足ですっくと立つことができている。

猫は最初から、
4本の足ですっくと立っている。

傷だらけでも、かっこよくなくても、
その姿は清々しくて憧れる。
それでいいのだ、
皆そうしてすっくと立つことが出来るのだ、
矛盾した何もかも合わせてそのまま受け入れていいのだ、
と、ラムセス2世は、猫たちは、
西加奈子さんは、教えてくれる。

最後に分かる、このちょっと不思議な文章の秘密。

温かくて、優しい。
大好き、ラムセス2世。

『きりこについて』は、
真実について語っている物語だ。

西加奈子さんの物語は、
いつだって弱さも汚さもすべて受け入れてくれて、
だからこそとびきり強くて優しい。




『きりこについて』
きりこが見つけた黒猫ラムセス2世は
とても賢くて、人の言葉を覚えていった。
好きな男の子に「ぶす」と言われ
引きこもってしまったきりこ。
やがて、ラムセス2世に励まされ、
きりこは外に出る決心をする。
きりこが見つけた世の中で
いちばん大切なこととは?

参考:「BOOK」データベース
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