★5つ。

村上春樹さんが「走る」ことについて語ったエッセイ。

25年にわたって世界各地でフルマラソンや100キロマラソン、
トライアスロンを走ってきたランナー・村上春樹が
走ることで自分の生き方や小説がどのように変わったのか、
を真正面から語っています。

「走ることについて正直に書くことは、
僕という人間について(ある程度)正直に書くことでもあった。
…だからこの本を、ランニングという行為を軸にした
一種の『メモワール』として
読んでいただいてもさしつかえないと思う」(前書きより)

ふざけたもの・旅行もの・真面目に語っているもの、
村上さんのエッセイはほぼ全て読みましたが
これほどまで真摯に「自分」というものを
考察した文章は初めて読みます。
25年間、苦しい思いを何度もしながら
それでも走り続けることで築かれた「何か」が
村上さんの小説世界と密接に関係しているのだ、と深く納得。
その「何か」を垣間見ることができるのはファンとして嬉しい。

「老い」を受け止める村上さんの、
その受け止め方にしみじみ感じるものがありました。

走ってきたことを振り返ることで今までの人生を、
そしてタイムが遅くなってきたことで
「老い」を見つめている村上さん。
焦らず後悔せず、人生の悪いところや喜ばしくないところ、
これから老いていくことも全て「そういうものだ」と受け入れている、
その姿勢は今までのエッセイでも好感を持っていたところですが
この本では一層それが表に現われているような。

自分もこのように「老い」を受け入れられたらいいな。
走るのは大大大の苦手なのでマラソンはまずしないけど、
村上さんにとってのマラソンのような「何か」を
自分も続けたい、と思う。

ランナーが読めば体で納得できるであろう文章。
私は頭で想像してみるだけだけど、
文章にしてくれたことに感謝です。
 
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1982年秋、専業作家としての生活を開始した時、
彼は路上を走り始めた。
それ以来25年にわたって世界各地で、
休むことなく走り続けてきた。
走ることは彼自身の生き方をどのように変え、
彼の書く小説をどのように変えてきたのだろう?
走ることについて語りつつ、
小説家としてのありよう、創作の秘密、
そして「僕という人間について正直に」、
初めて正面から綴った書下ろし。

参考:「BOOK」データベース
『走ることについて語るときに僕の語ること』

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