★5つ。

京極堂シリーズの2作目。
「姑獲鳥の夏」で登場した人物たちの個性がより際立ちます。

題材は気持ち悪くて、グロテスク。
なのに何故か、
「みっしりと詰まった匣」のイメージが頭にこびりついて離れない。

推理小説としてはトリックに無理があると思う。
けれどトリックより何より、“それ”をしてしまうに至った人々の
心の動きが奇妙に説得力があり、悲しくてグロテスクで…
そして、怖ろしいほど歪んではいるけど「美」や「愛」を感じてしまう。

どんなに怖ろしい犯罪を犯していても
京極堂シリーズの登場人物たちにはどこか人の「情」というのか、
人間なんだなあ、と思える部分があります。
犯罪を犯した人と犯していない人は、
正気と狂気との間にある薄い幕1枚で隔たれているだけ。
でもそれって本当に、この小説の中だけの話?
なんて思ってしまって鳥肌が立つ。
自分の中にもその幕があるのがぼんやり見えて、怖ろしい。

京極堂の台詞、「幸せになるのは簡単な事だ」「人間をやめればいい」。
人間やめたくないので、京極堂シリーズを読むだけにします。
 
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匣(はこ)の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。

箱を祀る奇妙な霊能者。
箱詰めにされた少女達の四肢。
そして巨大な箱型の建物―
箱を巡る虚妄が美少女転落事件と
バラバラ殺人を結ぶ。
京極堂は果たして憑物を落とせるのか。

参考:「BOOK」データベース
『魍魎の匣(もうりょうのはこ)』
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コメント
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本の感想・レビュー記事へのコメント
No title
京極夏彦さんのこのシリーズを、“推理小説・ミステリィ”で考えると、?ですよね。
私は“もの・がたり”で捉えています。
2008/05/24(Sat) 17:07 | URL  | メデューサの瞳 #-[ 編集]
>メデューサの瞳さん
推理小説としては確かにムリがちょっとありますよね。
むしろ描かれている人間の狂気を興味深く読んでます。
2008/05/24(Sat) 18:16 | URL  | Run #-[ 編集]
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