魍魎の匣(もうりょうのはこ)/京極夏彦

京極堂シリーズの2作目。
「姑獲鳥の夏」で登場した人物たちの個性がより際立ちます。
題材は気持ち悪くて、グロテスク。
なのに何故か、
「みっしりと詰まった匣」のイメージが頭にこびりついて離れない。
推理小説としてはトリックに無理があると思う。
けれどトリックより何より、“それ”をしてしまうに至った人々の
心の動きが奇妙に説得力があり、悲しくてグロテスクで…
そして、怖ろしいほど歪んではいるけど「美」や「愛」を感じてしまう。
どんなに怖ろしい犯罪を犯していても
京極堂シリーズの登場人物たちにはどこか人の「情」というのか、
人間なんだなあ、と思える部分があります。
犯罪を犯した人と犯していない人は、
正気と狂気との間にある薄い幕1枚で隔たれているだけ。
でもそれって本当に、この小説の中だけの話?
なんて思ってしまって鳥肌が立つ。
自分の中にもその幕があるのがぼんやり見えて、怖ろしい。
京極堂の台詞、「幸せになるのは簡単な事だ」「人間をやめればいい」。
人間やめたくないので、京極堂シリーズを読むだけにします。
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匣(はこ)の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。 箱を祀る奇妙な霊能者。 箱詰めにされた少女達の四肢。 そして巨大な箱型の建物― 箱を巡る虚妄が美少女転落事件と バラバラ殺人を結ぶ。 京極堂は果たして憑物を落とせるのか。 参考:「BOOK」データベース 『魍魎の匣(もうりょうのはこ)』 |
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コメント
No title
京極夏彦さんのこのシリーズを、“推理小説・ミステリィ”で考えると、?ですよね。
私は“もの・がたり”で捉えています。
私は“もの・がたり”で捉えています。
>メデューサの瞳さん
推理小説としては確かにムリがちょっとありますよね。
むしろ描かれている人間の狂気を興味深く読んでます。
むしろ描かれている人間の狂気を興味深く読んでます。
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久保竣公の小説から受けた嫌な気分を消すために、御筥様信者の名簿を書き写す単純作業に没頭した関口。その関口がバラバラ事件の検死を担当した監察医の里村を訪ねた日、木場もまた里村に話を聞きに来ていた・・・。
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