★4つ。

古風で妙に格調高い言い回しで語られる森本の独白。
行動はほとんどストーカーなのにあくまで「研究」と言い張り、
鴨川に並ぶカップルや世間の「クリスマスファシズム」を憎悪し、
自らを世間一般とは違う孤高の存在と考えながらも
ごく当たり前の幸せに憧れる自分にも本当は気付いている…

森見登美彦さんの『太陽の塔』
主人公の森本は傍から見てるととにかく変人、
大真面目ゆえに情けなくて滑稽。
初めは“なんか、ちょっとキモチワルイ人”と思っていたら
その常識とのズレっぷりがだんだん笑えてきて、
しまいにはかわいく見えてくる。
森本の友人たちも、
つきまとわれる女子大生すら強烈で個性的、
「普通の人」は1人もいないってくらい変人だらけ。

全体的には笑えるんだけど、唐突にしんとした描写が現われる。
日常から非日常の世界に足を踏み入れたかのような奇妙な感覚。
読了後にはほんのりとした暖かみ、
作者の登場人物への愛情が感じられました。
“ゴ**リキューブの描写だけは読むのが辛かったけども!
実在しないことをただ祈ります。

読書中も読了後も、
こんな小説は読んだことがない、という印象。
主人公が見ている世界は少し歪んでいて、
自分もその歪んだ世界に連れて行かれたような。
古風だけど独特のテンポがある文体と
変だけど可愛げのある登場人物たち、
なんだか妙に癖になってしまいました。

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『太陽の塔』
何かしらの点で彼らは根本的に間違っている。
なぜなら私が間違っているはずがないからだ-。
京大5回生の森本は「研究」と称して
自分を振った女の子の後を日々つけ回していた。
男臭い妄想の世界に
どっぷりとつかった学生の夢想。
第15回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。

参考:「BOOK」データベース / Amazon
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太陽の塔

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