★4つ。

角田光代さんの小説で最初に読んだのは
yom yomに載っていた「浮き草」。
浮き草のようにふらふらした女性、傍から見てると危なっかしいけど
定まっていないからこその明るさと力強さがあって、いっそ清々しいくらい。
読後が気持ち良かったのでほかの本も読んでみました。

3つの短編の主人公は皆、
「定まっていない」人たちばかり。
1年後は何をしているか分からないような、
本人も定まることを決して望んでいないような。

一人称でありながら、
彼女たちが何を考えているのかよく分からない。
「イライラした」「怖くなった」といった一瞬の感情は語られているけれど、
何を思ってこんなことをしたか、という説明がなくて
彼女たちの行動に時々驚いてしまう。
けれど、一瞬を生きているような彼女たちは妙にリアル。
読んでいる自分の足元も危ないような、
それでいて奇妙に明るい場所にいるような感覚がなんだか気持ちいい。

起こる出来事も抽象的で、
「浮き草」よりも不安定な感じが強いのは
今と昔の作風の違いなのでしょうか。
どちらにしても、その軽い自由さが不安で、同時に心地よい。

自分もこんな浮遊した時があったような、
今でもちょっと浮遊したいような。

人も出来事もヘンだけど、
浮遊した時間を過ごす感覚に
懐かしさと羨ましさを同時に呼び起こされました。

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私の知らない「彼女」にジャムを作る弟・タカシ。
魂の前世を信じる、弟の怪しげな友人・恭一。
5日おきにデートする几帳面な同級生・サダカくん。
3人の奇妙な男に囲まれ、過ぎていく夏-。
「まどろむ夜のUFO」ほか2編。

参考:「BOOK」データベース 『まどろむ夜のUFO』
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