★4つ。

森見登美彦さんの作品でも、
格調高さに笑えてしまう『太陽の塔』とは全然違う。
しんとした描写が続き、
奇妙だけど美しく、少し怖い。

『きつねのはなし』は、最後まで読んでも不思議なまま。
何が起こったのか種明かしされることはなく、
そういう不思議もこの世にはあるのかもしれない…という
背筋がぞくっとする感覚が残ります。

4つの物語はリンクしているようでいて矛盾した点が多くあり、
日常→ 第1の物語→ 第2の物語… というふうに
少しずつずれた場所に連れていかれる感覚。

怖くて眠れない、というホラーではなく
いつもの暮らしのすぐそばに
奇妙な世界への入り口がぽっかりと開いているのでは、
という緩やかな恐怖。
古の都・京都の趣に、登場する不思議なものたちは
昔々から京都に潜んでいたのだろうか、という気にさせられる。

読み終わっても謎は謎のままで、
スッキリとはいかないので好みが分かれるかも。
答えの無い緩い恐怖、私は好きです。



『きつねのはなし』
京の骨董店を舞台に現代の「百物語」の幕が開く。
細長い座敷に棲む狐面の男。
仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。
私が差し出したものは、そして失ったものは、
あれは何だったのか。
妖しくも美しい幻燈に彩られた奇譚集。

参考:「BOOK」データベース

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