鹿男あをによし/万城目学

万城目学さん、ホルモーシリーズの舞台は京都でしたが、
『鹿男あをによし』
読んでみると同じ古都でも、京都より少し骨太なイメージでした。
小説全体に古代を偲ばせる雰囲気が漂っていて、
鹿が話すのも有り得ることだ、と思ってしまう。
奈良の歴史がうまく組み込まれ、同時に青春小説の爽やかさもあり。
スケールはかなり大きく、
書きようによっては大活劇になりそうなのに
ヒーローのはずの“先生”が完全に振り回されている。
その独特な脱力感が、気負わず楽しく読めてなんとも好きです。
『鹿男あをによし』は登場人物も魅力的。
望んでいないのに選ばれてしまった先生、
ちょっと抜けてるし人付き合いがヘタみたいだし、
イマイチ冴えないけど憎めない。
そして“先生”の生徒である堀田イト、
女子高生の微妙に動く心理が嫌味なく書かれていて、
初めはちょっと憎たらしいけど最後にはかわいく思えます。
後から彼女の気持ちを考えると、ちょっと切ない。
ラストは古典的で展開が読めたけど、
古代の雰囲気漂う『鹿男あをによし』に
よく似合っていると思いました。
とてもすっきりと気持ちよく、少し切なさも漂うラスト。
文字にしないと自分達にとって大切なことも
すっかり忘れて好き勝手やってしまう人間、
昔々の約束をずっと果たし続けている鹿。
人間なんか見下している鹿、
けれど最後には心が少し分かってぐっと来ました。
ところで先日、動物園に行きました。
雌鹿が近寄ってきたので、なんか話すかとドキドキしました。
鹿の前では油断しちゃいけません。
『鹿男あをによし』 大学院の研究生活から一転、 2学期限定で奈良の女子高に赴任した「おれ」。 生徒との接し方に悩む彼に、 指令を下したのは美しい雌鹿。 「さあ、神無月だ-出番だよ、先生」。 参考:出版社 / 著者からの内容紹介 |
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コメント
私はこの本を読んだあと奈良へ旅行に行きました。よっぽどポッキーを差し出そうかと思いましたが、勇気が出ずに辞めました。
奈良の鹿はのほほんとしているようでしたが、油断はできませんでした。
「鹿男」の先生も、「ホルモー」の安倍くんもちょっと頼りないところは共通してますね。
奈良の鹿はのほほんとしているようでしたが、油断はできませんでした。
「鹿男」の先生も、「ホルモー」の安倍くんもちょっと頼りないところは共通してますね。
>日月さん
この本を読んだ後に鹿に会うと、ドキドキしますよね!
しかも奈良…油断はまったくできません。
でも、ホントにポッキー食べるのかな?
万城目さんの本は、男性はちょっと頼りなくて優しい、
女の子はちょっとヒネてるけど本当はかわいい、
ってところが共通しているように思えます。
早く次の本を読みたいですね(*^-^)
しかも奈良…油断はまったくできません。
でも、ホントにポッキー食べるのかな?
万城目さんの本は、男性はちょっと頼りなくて優しい、
女の子はちょっとヒネてるけど本当はかわいい、
ってところが共通しているように思えます。
早く次の本を読みたいですね(*^-^)
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