★4つ。

『姑獲鳥(うぶめ)の夏』からどんどんつながりながら発展し、
『塗仏の宴―宴の始末(ぬりぼとけのうたげ うたげのしまつ)』
一段落したこのシリーズ。

『陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)』では、前からいる登場人物は少なめです。
家の中で起きた悲劇、それに対しての関口の関わり方。
何かと「姑獲鳥(うぶめ)の夏」を思い出し、
一回りして戻ってきた印象を受けました。

犯人が誰かは分かってしまう人も多いと思うし
こんな人間がいるわけはない、
と冷静に考えると思うのですが
そこに至るまでの膨大な薀蓄に基づいた緻密な描写で
なぜか納得させられて、切なさが後に残ります。
真相が分かった時には少し泣きたくなりました。

誰も悪くないのに起こってしまった悲劇。
京極夏彦さんの京極堂シリーズはいつも、
犯罪にまつわる人間の切なさ、悲しさが描かれていて
そこに惹かれて読んでしまいます。

初めて読んだ「姑獲鳥(うぶめ)の夏」の
インパクトには及ばないけど、
登場人物たちが前より少し強くなっているような気が。
特に前作では完全に壊れてしまっていた関口、
まだまだ大変そうだけど
ラストでは少し明るいほうを向いていたみたい。

「塗仏の宴(ぬりぼとけのうたげ)」の後、
登場人物たちがどう生きるのか気になっていましたが
悲しいながらも少しだけ明るさも感じてほっとしました。 



『陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)』
樺湖畔にそびえる洋館「鳥の城」。
主である「伯爵」の過去の花嫁4人は
みな何者かによって初夜に命を奪われている。
伯爵は5度目の婚礼を控え、
探偵・榎木津礼二郎に花嫁を守るよう依頼した。
小説家・関口巽を連れ館を訪れた探偵は、
住人達の前で叫んだ。
-おお、そこに人殺しがいる。

参考:「BOOK」データベース
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