★4つ。

京極堂シリーズの『姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)』から
『塗仏の宴―宴の始末(ぬりぼとけのうたげ うたげのしまつ)』まで、
本編では語られていなかった事件の発端や
背後で起こっていた出来事などが描かれたサイドストーリー。

短編の主人公となっているのは
本編での“犯人”やほとんど語られていない脇役、
登場していない人物まで様々。
印象的なのはやはり、本編でも重要だった人物の話。
この人にこんなものが憑いていたなんて…と怖ろしい気持ちに。

「鬼一口」に登場した人物にはびっくり、
まさか “あの本”に出てくる“あの人”だなんて!
さすがは京極夏彦さん、
複雑怪奇に絡み合った人間関係に驚かされます。
それから、最後の短編「川赤子」はおなじみの関口巽が主人公。
『姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)』が始まる直前の
彼の心情はとても興味深い。

憑き物を落とす本編とは逆に、
『百鬼夜行 陰(ひゃっきやぎょう いん)』では
人に“妖怪”が憑いてしまう瞬間が切り取られています。
京極堂に憑き物を落としてもらえた人はまだ良かったんだ、
憑かれたままの人がこんなにいるんだ、
と思うと背筋が寒くなる。
誰だっていつ何に憑かれてしまうか分からない、
という妙な不安感が湧いてきます。

妖怪が憑くさまの恐怖感はこの本だけ読んでも感じられるけど、
本編を読んでからのほうがやっぱり楽しめると思います。
『塗仏の宴(ぬりぼとけのうたげ)』まで読了済みならぜひ。



『百鬼夜行 陰(ひゃっきやぎょう いん)』
揺るぎ無いはずの「日常」が乱れる時、
人の心の奥に潜む「闇」と直面する。
精神の内からわき出る「妖怪」という名の怪異。
他人の視線を以上に畏れる者、
笑うことができない峻厳なる女教師、
海に強い嫌悪感を抱く私小説家…。
人が出会う「恐怖」の形を
多様に描き出す十の怪異譚。

参考:「BOOK」データベース
 
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