2008年11月14日 (金)

京極堂シリーズの『姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)』から
『塗仏の宴(ぬりぼとけのうたげ)』まで、
本編では語られていなかった事件の発端や
背後で起こっていた出来事などが描かれたサイドストーリー。
短編の主人公となっているのは
本編での“犯人”やほとんど語られていない脇役、
登場していない人物まで様々。
印象的なのはやはり、本編でも重要だった人物の話。
この人にこんなものが憑いていたなんて…と怖ろしい気持ちに。
「鬼一口」に登場した人物にはびっくり、
まさか “あの本”に出てくる“あの人”だなんて!
さすがは京極夏彦さん、
複雑怪奇に絡み合った人間関係に驚かされます。
それから、最後の短編「川赤子」はおなじみの関口巽が主人公。
『姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)』が始まる直前の
彼の心情はとても興味深い。
憑き物を落とす本編とは逆に、
人に「妖怪」が憑いてしまう瞬間が切り取られています。
京極堂に憑き物を落としてもらえた人はまだ良かったんだ、
憑かれたままの人がこんなにいるんだ、
と思うと背筋が寒くなる。
誰だっていつ何に憑かれてしまうか分からない、
という妙な不安感が湧いてきます。
妖怪が憑くさまの恐怖感はこの本だけ読んでも感じられるけど、
本編を読んでからのほうがやっぱり楽しめると思います。
『塗仏の宴(ぬりぼとけのうたげ)』まで読了済みならぜひ。
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揺るぎ無いはずの「日常」が乱れる時、 人の心の奥に潜む「闇」と直面する。 精神の内からわき出る「妖怪」という名の怪異。 他人の視線を以上に畏れる者、 笑うことができない峻厳なる女教師、 海に強い嫌悪感を抱く私小説家…。 人が出会う「恐怖」の形を 多様に描き出す十の怪異譚。 参考:「BOOK」データベース 『百鬼夜行 陰(ひゃっきやぎょう いん)』 |
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